みなさんは、理学療法士の平均年収ってどのくらいかご存知ですか?
世間一般では、理学療法士は医療に関わるため、高待遇というイメージを持っている方が多いですが、じつはそれほど待遇が良いわけではありません。
働く地域や経験年数、また勤務する施設形態によって大きく異り、勤務先によっては同年代の平均収入よりも大きく下回ってしまうこともあります。
今回、厚生労働省の統計資料である賃金構造基本統計調査を参考に、理学療法士の給料事情を紹介します。
賃金構造基本統計調査は、主要産業に雇用される労働者の賃金の実態を明らかにする統計調査です。賃金構造基本統計調査によって得られる賃金の実態は、国や地方公共団体だけでなく民間企業や研究機関でも広く利用されています。
賃金構造基本統計調査では、雇用形態(正社員・正職員、正社員・正職員以外)、就業形態(一般労働者、短時間労働者)、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数など、労働者の属性別の賃金の結果を、産業、企業規模別などで提供しています。
理学療法士の平均年収はどれくらい?
平均年齢 | 32.7歳 |
勤続年数 | 5.7年 |
労働時間 | 164時間/月 |
超過労働 | 6時間/月 |
月額給与 | 284,100円 |
年間賞与 | 639,900円 |
平均年収 | 4,049,100円 |
出典:厚生労働省「平成29年 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。
厚生労働省より発表されている平成29年賃金構造基本統計調査によると、理学療法士の平均年収は、約405万円(平均年齢32.7歳、平均勤続年数5.7年)です。
意外と少ない!?と思いませんか。ちなみに”ぴろまえ”はこの平均年収より低いです(+o+)
世間一般的なサラリーマンの平均年収が約410万円程度と言われているのでショックですね。
若手の理学療法士&これから理学療法士を目指す方、これが現実です。
そこそこの生活はできる。でも、家庭をもつと・・・
理学療法士の収入は決して高待遇ではありませんが、生活はやっていけます。
ただし、独身に限った話であり、家庭をもつと少々厳しくなります。
子供の教育費や家族旅行費、マイホーム購入・・・これらを不自由なく実現しようとすると共働きが必要な状況になります。
実際、私の妻も働いていて、家計が助かっています。とっても感謝しています。
理学療法士の年収が低いのは若年層が多いから!?
なぜ、理学療法士の平均年収が日本の平均年収よりも低いのか。
それは、理学療法士の年齢層が全体的に低いことが理由として挙げられます。30代未満の理学療法士が約50%を占め、40歳未満となると約80%を占める状況となっています。
このことから分かるように、20代~30代の若年層が理学療法士の平均的な年齢ボリューム層であり、年収を低くしている原因となります。
年収を上げるための対策は?
①初任給が少しでも高い就職先を選ぶ
理学療法士は昇給の上がり幅が小さい傾向がある職種といわれています。
仕事をスタートした時点での基本給が高ければ、ボーナスの額が大きくなりますし、最終的な給料も多くなります。
②役職に就く
管理職として働く理学療法士の中には一般的な理学療法士より多くの収入を得ています。
理学療法士は中堅がほとんどいないので、頑張って働くと役職に就くチャンスも高い!?
最近では30代の管理者も増加しており、若くして管理・運営に携わり悪戦苦闘している理学療法士も多いです。私は20代で経験しています💦
理学療法士の年収と今後の動向
高齢化社会を迎え、理学療法士の活躍する場面は広がっています。しかし、理学療法士の数も年々増えています。
結局のところ、年収などの収入は需要と供給で成り立っています。この需要と供給のバランスが崩れる、つまり需要を上回る供給があれば、収入は自然に減少していきます。
さらに注目しないとけないのが診療報酬の改定です。
医療や介護系の職業の収入は診療報酬がベースとなっています。診療報酬がプラスに改訂されれば問題ないのですが、現在の日本の財政は厳しい状況にあり、特に社会保障費の増加が財政を圧迫させています。
ここ数年、診療報酬はマイナス改訂・・・理学療法士の年収も年々減少しています。国家資格を有する理学療法士ですら、一本では豊かな生活を維持することが難しくなってきています。